金芝河氏の「五賊」初公演  日本は友達の国とあいさつ

   

 来日している韓国の詩人、金芝河氏の代表作「五賊」の日本初公演が六日夜、東京都千代田区のイイノホールで行われた。約千人の観客を前に金氏は「日本は獄中にいた時にさまざまな支援を受けた友達の国。(来日が)遅くなってすみませんでした」などとあいさつし、大きな拍手を浴びた。

 一九七○年に発表された五賊は当時の韓国権力層の腐敗ぶりを痛烈に批判。このため金氏自身が反共法違反で通算七年間にわたって投獄され、一時は死刑判決を受ける原因になった。

 この日は金氏と一緒に来日した韓国の代表的演劇家、林賑沢氏が韓国の伝統芸能「パンソリ」のリズムに乗せて「五賊」を朗読した。

 また在日韓国人芸術家らも公演に協力。劇団「新宿梁山泊」代表の金守珍さんが演出し、金芝河氏の詩「灼けつく渇きで」「緑豆の花」などを原作にした創作音楽劇も共演され、オペラ歌手、田月仙さんが詩を歌い上げた。

 終了後、妻の金玲珠さんらとともに舞台に立った金芝河氏は「今日の舞台のように、日本と韓国の間の過去にこだわらず、若い芸術家が新しいメッセージ、新しい可能性を創造していってほしい」などと訴えた。

 

共同通信社